【簿記1級】償却原価法

会計学

みなさん、こんにちは。こんばんは。

いかがお過ごしでしょうか。本日は会計学の分野から「償却原価法」について勉強しました。

償却原価法

会計学の償却原価法とは、金融資産や金融負債を債務額や債務額と異なる金額で取得した場合に、その差額が金利の調整と認められるときに適用される方法です。

この方法では、差額に相当する金額を弁済期や償還期に至るまで毎期一定の方法で取得価額に加算(または減算)し、その加減額を受取利息や支払利息に含めて処理します。

  • メリット
    償却原価法のメリットは、適正な利息収入や支払いを計算できる点。
    金利の変動に対応し、金融資産や金融負債の時価に近い価値を反映できる点。
  • デメリット
    償却原価法のデメリットは、毎期の償却額や帳簿価額を求めるのに手間がかかる点。
    償却額が毎期変動し、予測や管理が難しい
うみおん
うみおん

計算が複雑になって大変ですが、適正な利息収入・支払いがわかるということですね!

償却原価法の例題

下記の例題を解いてみましょう。

取得日満期日A社社債額面券面利子率利払日
X1年1月1日X3年12月31日970,000円1,000,000円6%6月末および12月末

上記A社社債を満期保有目的で現金で取得した時、取得日(X1年1月1日)から満期日(X3年12月31日)までの期間で取得原価970,000円と額面金額1,000,000円との差額30,000円について、償却原価法で仕訳しましょう。
(当社の会計期間は3月末を決算日とする1年間とします。)

月割計算による満期保有目的債券の帳簿価額への加算額
=30,000円÷36か月=833.33円/月

よって、各期の仕訳は以下となります。

・X1年1月1日 取得時

借方貸方
(満期保有目的債券) 970,000(現金) 970,000

・X1年3月31日 取得後から1回目の決算時

借方貸方
(未収有価証券利息) 15,000※1(有価証券利息) 15,000
(満期保有目的債券) 2,500※2(有価証券利息) 2,500
※1. 1,000,000円×6%×3か月/12か月=15,000円
※2. 833.33円×3か月=2,500円

・X1年6月末 1回目の利払時

借方貸方
(現金) 30,000(未収有価証券利息) 15,000
(満期保有目的債券) 2,500※3(有価証券利息) 15,000
(有価証券利息) 2,500
※3. 833.33×3か月=2,500円

・X2年3月31日 取得後から2回目の決算時

借方貸方
(未収有価証券利息) 15,000(有価証券利息) 15,000
(満期保有目的債券) 10,000※4(有価証券利息) 10,000
※4. 833.33円×12か月=10,000円

・X2年6月末 2回目の利払時

借方貸方
(現金) 30,000(未収有価証券利息) 15,000
(満期保有目的債券) 2,500(有価証券利息) 15,000
(有価証券利息) 2,500

・X3年12月31日 満期時

借方貸方
(現金) 1,000,000(満期保有目的債券) 1,000,000

以上となります。

うみおん
うみおん

帳簿価額への加算額の複雑な計算を間違えないように、見返しながら解きましょう!

過去問

第146回簿記1級過去問題 会計学 第1問 (3) より一部抜粋

第1問 次の文章の空欄(ハ)に適切な語句を記入しなさい。

(3)金融資産または金融負債を債権額または債務額と異なる金額で計上した場合において、当該差額に相当する金額を弁済期または償還期に至るまで毎期一定の方法で取得価額に加減する方法を(ハ)という。

 

回答を見ていきましょう。

答えは

(ハ)・・・償却原価法

最後に

さて、償却原価法について勉強しました。

改めて、償却原価法では、金利の調整部分を毎期一定額で取得価額に加減することを覚えておきましょう。名前が似ている「減価償却」とは違いますので、混同しないように注意してください(⇐そんな方はいないと思いますが)。引き続き頑張りましょう。

 

※ちなみに
私は下記の教材のみで勉強しております。
合格するための過去問題集 日商簿記1級 ’24年6月検定対策(TAC出版)

解説が丁寧で大変わかりやすいです。
今後も少しずつ教材を追加予定です。

<うみおんずブログを応援する>

参考にしたWebサイト

最後に、本記事を執筆するに当たって参考にしたWebサイトを記します。

  • https://inuboki.com/2q-syoubo-kouza/kobetu4-4/
  • https://www.ifinance.ne.jp/glossary/account/acc250.html
  • https://biztouben.com/amortized-cost-method/
  • https://fundbook.co.jp/column/business/depreciation/
  • https://tips-note.com/tax-2020-01-20/
タイトルとURLをコピーしました