皆さん、こんにちは。こんばんは。
いかがお過ごしでしょうか。本日は工業簿記の分野から「操業度差異」について勉強しました。
操業度差異
工業簿記の操業度差異とは、予定していた工場稼働時間と実際の工場稼働時間との差によって生じる製造間接費の配賦差異のことです。
操業度差異は、工場の稼働状況や生産計画の達成度を分析するために用いられます。
- メリット
操業度差異のメリットは、分析した際に操業度差異が不利だとわかった場合は、生産性が低く、固定費の配賦が非効率的に行われていることがわかります。この場合、原因を究明し、対策を講じることで改善につなげられます。
- デメリット
操業度差異は、予定配賦という仮定に基づいて計算されるものであるため、実際の固定費の発生とは必ずしも一致しません。
また、固定費のみに着目しているため、変動費や売上などの他の要因を無視してしまう可能性があります。
さらに、予算設定時の基準操業度に依存しているため、基準操業度の設定が適切でない場合、誤った判断を導く可能性があります。
実際の工場稼働時間が予定よりも少ない場合には不利差異(借方差異)、多い場合には有利差異(貸方差異)となります!多いほうが良いということですね!
操業度差異の例題
下記の例題を解いてみましょう。
製造間接費の予算額 | 1,000千円 |
基準操業度 | 2,000時間 |
実際の製造間接費 | 980千円 |
実際の操業度 | 1,900時間 |
この時、上記資料の工場の操業度差異を求めましょう。
配賦率=製造間接費の予算額÷基準操業度
=1,000千円÷2,000時間
=0.5千円/時間
操業度差異=配賦率×(実際操業度ー基準操業度)
=0.5千円/時間×(1,900時間ー2,000時間)
=△50千円(不利差異)
よって、操業度差異は50千円の不利差異となります。
実際の工場の稼働時間が予定よりも100時間少なかったので、製造間接費の配賦が予算額に対して50千円不足したということですね!
過去問
第146回簿記1級過去問題 工業簿記 第1問 問3 より一部抜粋・改題
第1問 [資料]
1. 予定配賦率
第2製造部:800円/時間
2. 基準操業度(年間正常直接作業時間)
第2製造部:20,400時間
5. 当月実際直接作業時間(単位:時間)
製品A | 製品B | |
第2製造部 | 810 | 915 |
問3 第2製造部の操業度差異を計算しなさい。
回答を見ていきましょう。
答えは
20,000円(貸方差異)
最後に
さて、操業度差異について勉強しました。
改めて、「操業度差異=予定配賦率×(実際操業度ー基準操業度)」の式をしっかり覚えておきたいと思います。また、マイナスであれば借方科目、プラスであれば貸方科目になる点などは、予算差異の時と同様ですね。引き続き頑張りましょう!
※ちなみに
私は下記の教材のみで勉強しております。
合格するための過去問題集 日商簿記1級 ’24年6月検定対策(TAC出版)
解説が丁寧で大変わかりやすいです。
今後も少しずつ教材を追加予定です。
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参考にしたWebサイト
最後に、本記事を執筆するに当たって参考にしたWebサイトを記します。
- https://inuboki.com/2q-koubo-kouza/koubo-kouza3-4/
- https://study-memo1.com/%E6%93%8D%E6%A5%AD%E5%BA%A6%E5%B7%AE%E7%95%B0%E3%81%8C%E3%82%88%E3%81%8F%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%8F%E8%A7%A3%E8%AA%AC/