【簿記1級】複数基準配賦法

工業簿記

皆さん、こんにちは。こんばんは。

いかがお過ごしでしょうか。今週は3連休でしたね。私は晴れた土曜日だけ外にお散歩に出かけ、それ以外は雨だったこともあり、お家で勉強して過ごしました。

本日は、工業簿記の分野から「複数基準配賦法」について勉強しました。

複数基準配賦法

工業簿記の複数基準配賦法とは、補助部門費を変動費と固定費に区分して、それぞれ異なる基準で製造部門に配賦する方法です。

例えば、動力部門費は機械時間修繕部門費は修繕時間を配賦基準とするなどです。

補助部門費の性質に応じて適切な配賦基準を選ぶことができるというメリットがありますが、計算が複雑になるというデメリットもあります。

メリット
・補助部門費の性質に応じて適切な配賦基準を選ぶことが可能。

デメリット
計算が複雑になる。

複数基準配賦法の例題

下記の資料を基に、複数基準配賦法で補助部門費を製造部門に配賦してみましょう。

部門部門費機械時間修繕時間
切削部門200,000円600時間900時間
組立部門180,000円400時間600時間
動力部門50,000円300時間200時間
修繕部門60,000円200時間100時間

動力部門は機械時間を、修繕部門は修繕時間を配賦基準として、配賦しましょう。

まず、動力部門費を配賦します。動力部門費は機械時間を配賦基準とするので、各部門の機械時間の比で分けます。ただし、自部門への配賦はありませんので、動力部門の機械時間は無視します。
 
機械時間1時間あたりの動力部門費=動力部門費÷(切削部門の機械時間+組み立て部門の機械時間)
                =50,000円÷(600時間+400時間)
                =50円/時
 
切削部門に配賦する動力部門費=機械時間1時間当たりの動力部門費×切削部門の機械時間
              =50円/時×600時間
              =30,000円
 
組立部門に配賦する動力部門費=機械時間1時間当たりの動力部門費×組立部門の機械時間
              =50円/時×400時間
              =20,000円  

うみおん
うみおん

続いて、修繕部門費について見ていきましょう!

修繕部門費は修繕時間を配賦基準とするので、各部門の修繕時間の比で分けます。ただし、自部門への配賦はありませんので、修繕部門の修繕時間は無視します。
 
修繕時間1時間当たりの修繕部門費=修繕部門費÷(切削部門の修繕時間+組立部門の修繕時間)
                =60,000円÷(900時間+600時間)
                =40円/時
 
切削部門に配賦する修繕部門費=修繕時間1時間当たりの修繕部門費×切削部門の修繕時間
              =40円/時×900時間
              =36,000円
 
組立部門に配賦する修繕部門費=修繕時間1時間あたりの修繕部門費×組立部門の修繕時間
              =40円/時×600時間
              =24,000円

うみおん
うみおん

計算は以上となります!結果を基に部門振替表を見てみましょう!

部門部門費合計切削部門組立部門
切削部門200,000円200,000円
組立部門180,000円180,000円
動力部門50,000円30,000円20,000円
修繕部門60,000円36,000円24,000円
合計490,000円266,000円224,000円

表から、切削部門の部門費は266,000円、組立部門の部門費は224,000円となります。これらの部門費を製品に配賦することで、製品原価を求めることができます。

過去問

第146回簿記1級過去問題 工業簿記 第2問 (1) より一部抜粋・改題

第2問 次の文章の( )内に当てはまる適切な語句を記入しなさい。

(1) 補助部門費(製造間接費)を関連部門に配賦する際、(①)では、固定費と変動費を別個の基準にもとづいて配賦する。すなわち、固定費に関しては補助部門が用役を消費する(②)にもとづいて配賦し、変動費に関しては(③)にもとづいて配賦する。

 

回答を見ていきましょう。

答えは

①・・・複数基準配賦法

②・・・能力

③・・・実際消費

最後に

さて、複数基準配賦法について勉強しました。

改めて、「単位配賦基準当たりの費用を求める」⇒「配賦基準量に応じて配賦」の手順をしっかり覚えておきたいと思います。補助部門費の固定費と変動費を関連部門に配賦する際の基準には、固定費は用役消費能力、変動費は用役消費量を用いることもしっかり覚えておきます!引き続き頑張ります!

 

解説が丁寧で大変わかりやすいです。
今後も少しずつ教材を追加予定です。

※ちなみに
私は下記の教材のみで勉強しております。

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参考にしたWebサイト

最後に、本記事を執筆するに当たって参考にしたWebサイトを記します。

  • https://wakai-kogyoboki.com/hukusukijyunhaihuho/
  • https://wwboki.jp/dokuboki/industrial-2kyu/second/
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