皆さん、こんにちは。
年が明けて仕事が始まった頃でしょうか。年末年始休暇からの切り替えに体調を崩さないよう、無理せずお体お気をつけください。
本日はライフプランニングや資金計画の分野から「FPがライフプランニングに当たって作成する一般的な各種の表」についてまとめました。
ライフプランニングに当たって作成する表とは?
ファイナンシャル・プランナー(FP)はライフプランニングに当たって一般的に以下の4つの表を作成します。
①家計の収支確認表
②家計のバランスシート
③ライフイベント表
④家計のキャッシュフロー表
これらの表を作成することで、現在の家計状況の把握だけでなく、将来のライフイベントに対する財務計画も立てることが可能になります。
また、これらの表はあくまで作成時点の計画であり、その時々に合わせて柔軟に見直しを行うことが重要です。
まずは家計の収支確認表から見ていきましょう。
家計の収支確認表
家計の収支確認表は、現在の収入と支出を書きだした表で、自身の貯蓄力や家計が赤字なのか黒字なのかを把握することができます。
そして、ライフプランニングにおける可処分所得(生活費や娯楽など自由に使えるお金)は、下記の計算式の通りで、年間の収入金額から社会保険料、所得税、住民税を差し引いた金額を使用します。
ここで注意すべき点として、生命保険料については、一般的には可処分所得の計算には含まれません。
続いて、家計のバランスシートについてみていきましょう。
家計のバランスシート
家計のバランスシートでは、現在の資産や負債の状況を書き出すことで、家計の健全度がわかります。
また、資産から負債を差し引くことで、純資産がわかります。
それから、バランスシートの作成において、株式等の金融資産や不動産の価額は、資産の現在の価値を正確に反映するため、一般的には作成時点の時価で計上します。
ただし、不動産の場合、市場価格(時価)は地域や物件の特性により大きく異なるため、不動産鑑定士による鑑定評価額などを参考にすることがあります。
続いて、ライフイベント表についてみていきましょう。
ライフイベント表
ライフイベント表では、自分や家族の今後10年、20年の予定を書き込んで、将来のイメージを具体化できます。
ライフイベントごとの予算額は、将来のライフイベントごとに必要な費用を現在の価値で理解することが重要なため、一般的には現在価値で見積もられます。
しかし、インフレーションや投資収益などの要素を考慮に入れるために、将来価値で見積もることもあります。
続いて、家計のキャッシュフロー表についてみていきましょう。
家計のキャッシュフロー表
家計のキャッシュフロー表では、現在の家計と将来の予定を基に作成し、現在から将来までの家計の変化をチェックすることができます。
キャッシュフロー表の作成においては、その価額は将来価値で計上します。
また、収入および支出項目の変動率や金融資産の運用利率は、作成時点の見通しを基に、現在の経済状況や市場の動向、個々のライフスタイルや目標などを考慮に入れて設定されます。
例えば、収入の変動率は昇給率や事業収入の増加率、支出の変動率は物価上昇率や生活費の増加率、記入資産の運用利率は期待利回りなどを基に設定します。
最後に、将来価値と現在価値についてみていきましょう。
現在価値と将来価値
度々「現在価値」と「将来価値」という言葉が出てきましたが、これらはお金の時間価値を考慮する際に重要な考えです。
現在価値とは・・・将来受け取ることが予定されている金額を現在の価値に換算したものです。例えば1年後に獲得予定の110円は、年間金利が10%であれば、現在価値は約100円になります。これは、現在の100円を銀行に預けておくと、1年後には金利が10%が加わって110円になるからです。
将来価値とは・・・現在価値の逆で、現在所有している金額が将来の特定の時点でどれだけの価値になるかを示すものです。例えば、現在の100円は、年間金利が10%であれば、1年後の将来価値は110円になります。
過去問でどのように出題されているか見ていきましょう。
過去問演習
FP2級過去問題 2017年5月学科試験 問2
問2. ファイナンシャル・プランナーがライフプランニングに当たって作成する一般的な各種の表に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- ライフイベントごとの予算額は現在価値で見積もり、キャッシュフロー表の作成においてはその価額を将来価値で計上する。
- ライフプランニング上の可処分所得は、年間の収入金額から社会保険料、所得税、住民税および生命保険料を差し引いた金額を使用する。
- キャッシュフロー表の作成において、収入および支出項目の変動率や金融資産の運用利率は、作成時点の見通しで設定する。
- 個人の資産や負債の状況を表すバランスシートの作成において、株式等の金融資産や不動産の価額は、作成時点の時価で計上する。
回答を見ていきましょう。
1.→〇 その通りです。キャッシュフロー表を作成するときは金利や物価上昇率を考慮して将来価値で計上します。
2.→× 可処分所得の計算では、生命保険料は収入金額から差し引きません。
3.→〇 その通りです。
4.→〇 その通りです。
よって、答えは2です。
最後に
さて、ファイナンシャル・プランナー(FP)がライフプランニングに当たって一般的に作成する表についてまとめてみました。
「家計の〇〇の表」となっていますが企業に勤めていると「企業の〇〇の表」で見慣れていると思います。
引き続き反復練習して覚えていきましょう。
※ちなみに私は下記の教材のみで勉強しております。
不合格の場合は教材を追加予定です。