【税理士(簿記論)】割賦販売の未実現利益控除法を「控除」と「戻入」の2つの仕訳でわかりやすく解説

こんにちは、うみおんです🐶

前回の対照勘定法に続いて、今日は割賦販売のもう1つの回収基準の処理、未実現利益控除法を取り上げます📘

「控除」と「戻入」、名前が似ていて最初は混乱しますよね。私もどっちがどっちか迷いました。2つの仕訳の意味を押さえて、一緒に整理していきましょう✨

📌 この記事の要点

  • 期中は販売基準と同じく全額を割賦売上に計上する
  • 決算で当期販売分の未回収額×利益率を控除して繰り延べる
  • 翌期以降に回収したら、前期の利益率で戻入する
  • 売上総利益は対照勘定法と同じ金額になる
目次

1. 未実現利益控除法の基本📝

1-1. 期中処理は三分法とほぼ同じ

未実現利益控除法は、回収基準を前提とした割賦販売特有の処理方法です。

ただし期中の仕訳は、勘定科目名が違うだけで一般販売の三分法と変わりません。販売した時点で販売額の全額を割賦売上に計上します。

売価600,000円(原価率70%)の商品を4回払いで割賦販売し、3回分450,000円を回収した例で確認してみましょう。

場面 借方 貸方
販売時 割賦売掛金 600,000 割賦売上 600,000
回収時 現金 450,000 割賦売掛金 450,000

1-2. 未実現利益=未回収の割賦金に含まれる利益

このままだと、売上総利益180,000円が全額計上されてしまいます。回収基準では、回収した割賦金に含まれる利益だけが実現利益です。

そこで決算時に、未回収の割賦金に含まれる利益(未実現利益)を当期の利益から差し引いて、次期以降へ繰り延べます。

うみおん

うみおん😉

「期中は普通に売上計上、決算でまとめて調整」というイメージを持つと、仕訳の流れがすっきり頭に入りますよ。

2. 「控除」と「戻入」の2つの決算整理🔄

2-1. 販売した年度は「控除」

上の例では、期末に未回収の割賦金が150,000円残っています。利益率は1-70%=30%です。

未実現利益は150,000×30%=45,000円となり、これを繰延割賦売上利益控除として計上します。

年度 借方 貸方
販売年度(控除) 繰延割賦売上利益控除 45,000 繰延割賦売上利益 45,000
翌年度(戻入) 繰延割賦売上利益 45,000 繰延割賦売上利益戻入 45,000

控除は売上総利益のマイナス項目、繰延割賦売上利益は次期へ繰り越す貸方残高です。

販売年度の売上総利益は600,000-420,000-45,000=135,000円で、回収額450,000×30%と一致します✅

2-2. 翌期以降に回収したら「戻入」

翌年度に残りの150,000円を回収すると、繰り延べていた利益45,000円が実現します。

そこで繰延割賦売上利益を取り崩し、繰延割賦売上利益戻入として売上総利益に加算します。販売がない年度でも、回収があれば利益が計上されるのがポイントです💡

2-3. 3つの処理方法を比べてみる

同じ取引を、販売基準・対照勘定法・未実現利益控除法で比べると違いがよく分かります。

区分 販売基準 対照勘定法 未実現利益控除法
販売年度の売上高 600,000 450,000 600,000
販売年度の売上総利益 180,000 135,000 135,000
翌年度の売上総利益 0 45,000 45,000(戻入)

回収基準の2つの方法は、利益の額は同じです。未実現利益控除法は、売上高と売上原価を総額で表示できる点に特徴があります。

3. 原価率が年度で違う応用問題🔍

3-1. 割賦売掛金を販売年度別に分析する

応用問題では、前期と当期で原価率が変わるケースがよく出題されます。割賦売掛金の増減を販売年度別に分けて、それぞれの利益率を掛けるのがコツです。

前期の原価率70%(利益率30%)、当期の原価率75%(利益率25%)とした数値例で見てみましょう。

区分 期首残高 当期販売 回収 期末残高
前期販売分(30%) 400,000 ― 300,000 100,000
当期販売分(25%) ― 1,200,000 800,000 400,000

前T/Bの繰延割賦売上利益は、期首残高400,000×30%=120,000円です。

戻入は前期販売分の回収額300,000×30%=90,000円、控除は当期販売分の未回収額400,000×25%=100,000円となります。

後T/Bの繰延割賦売上利益は120,000-90,000+100,000=130,000円です。期末の未回収額から直接求めると、100,000×30%+400,000×25%=130,000円で一致します✅

3-2. 損益計算書での表示順

P/Lでは、売上高から売上原価を差し引いた「差引」の下に、戻入を加算し、控除を減算して売上総利益を表示します。

⚠️ ひっかけ注意

戻入には前期の利益率、控除には当期の利益率を使います。率を取り違えると、戻入・控除・繰延割賦売上利益の3つがまとめて不正解になってしまいます。

うみおん

うみおん📝

前T/Bの割賦売掛金や繰延割賦売上利益が「各自推定」になっている問題は、まず販売年度別の増減表を書いてみてください。数字が一気に埋まりますよ。

4. よくある質問(FAQ)❓

Q. 未実現利益控除法では、商品を販売したときに売上を計上しますか?

A. はい、計上します。販売時に販売額の全額を割賦売上に計上し、決算で未回収分に含まれる利益だけを繰り延べます。

Q. 繰延割賦売上利益控除の金額はどう計算しますか?

A. 当期に販売した分のうち期末に未回収の割賦金に、当期の利益率(1-原価率)を掛けて求めます。

Q. 販売していない年度でも利益が計上されるのはなぜですか?

A. 前期以前に販売した分を当期に回収すると、その回収額に含まれる利益が実現するためです。この利益を繰延割賦売上利益戻入として計上します。

Q. 計算には原価率と利益率のどちらを使いますか?

A. 利益率を使います。問題文で原価率が与えられたら1から引いて利益率に直し、販売した年度ごとの率を当てはめます。

Q. 対照勘定法と未実現利益控除法で、売上総利益は変わりますか?

A. 変わりません。どちらも回収基準なので、回収済みの割賦金に含まれる利益だけが当期の利益になります。違うのは売上高と売上原価の表示額です。

5. まとめ:未実現利益控除法は「全額計上→控除→戻入」🎯

未実現利益控除法では、期中に全額を割賦売上に計上し、決算で未回収分に含まれる利益を控除して繰り延べます。

翌期以降に回収したら戻入で利益を計上します。利益率は販売した年度ごとに使い分けましょう。

うみおん

うみおん😊

割賦販売はこれで3つの処理方法がそろいました。対照勘定法の記事と並べて読むと、違いがはっきり見えてきますよ。

🌟 今日のキーポイント

控除は当期販売分の未回収額×当期の利益率、戻入は前期販売分の回収額×前期の利益率✅ 利益の額は対照勘定法と同じです。

うみおんより一言:控除と戻入は「繰り延べる」と「実現させる」の関係です。セットで覚えてしまいましょう💪

割賦販売の未実現利益控除法のまとめインフォグラフィック:販売時に全額を割賦売上に計上し、決算で当期販売分の未回収額×利益率を控除、翌期以降の回収時に販売年度の利益率で戻入し、利益は対照勘定法と同額になることを整理
▲ 今日のまとめを1枚で整理

※本記事は筆者自身の学習メモです。試験対策としては必ず公式テキスト・予備校教材で裏取りしてください

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この記事を書いた人

うみおんずブログ運営者|中小企業診断士|日商簿記2級|FP2級|TOEIC850|税理士試験(簿記論)の解説記事を中心に、資格の勉強をわかりやすく発信しています|趣味は旅行

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